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太陽活動

ディップメーター回路図

 随分と回り道しましたが、ようやく完成となりましたので回路図を公開します。

 発振回路は200MHzを超えて動くのですが、カウンター部が100MHz程度までとなっています。基板を起こしたら150MHzまで表示できるかも知れませんが、ブレッドボードでの検証では 100MHが限界でした。ポリバリコンに目盛りを書けば、200MHzまでの計測は可能と思われます。使用部品に関しては、300MHzを超えて動かせるように良い部品を選定してあります。

 これから電子工作を始めたい人のために、詳しい説明を書きたいと思います。

 回路全体の電圧は3Vとしました。理由は、単3電池2本で動かすことができて、PICと有機ELディスプレイをそのまま駆動できるからです。

 まず発振ですが、増幅に2SC5015を選択しました。理由は、高周波回路に使えることが第一です。この回路を組み始めた時はFETに関する経験が少なかったこともあり、NPNバイポーラタイプを用いました。信号を取り出す所はベースとなっています。ディップメーターは外部に信号を吸収されると増幅に回す電圧が低下して発振が停止してしまうことを利用した計測機器です。いとも簡単に発振を止めるにはベースの電圧を吸い出すのが良いわけです。そこで、敢えて発振が不安定になるようにベースから信号を取り出すようにしました。抵抗やコンデンサーは、一般的な増幅回路の計算をベースに試行錯誤で値を決めています。

 発振した信号は弱いので、扱いやすいように増幅させます。増幅部でも2SC5015を使いました。理由は発振部と同じです。この2つのユニットを生基板上に切手半分のサイズに押し込めた事によって、十分な性能を発揮することができるようになりました。発振部の電圧が十分ではなかったためエミッタ接地回路を採用しました。入力部のコンデンサーは、トランジスターのベース電圧を合わせるために交流だけを通過させ、ベースに接続されている抵抗で電圧を決定しています。抵抗値が低いと流れこむ電流が多くなりすぎ前段階の発振回路に影響を与えてしまうため、可能な限り高い抵抗値を選択します。とは言っても、トランジスターはある程度ベースに電流を確保しないといけないので、hFEを考慮しながら決定します。エミッター接地ですが、周波数特性を最大限に引き出すのと、増幅率を目一杯使う事を狙って、エミッターには抵抗をつなげませんでした。したがって、ベースエミッター間の電圧はそのままベース電圧となります。一般的にはベース電圧=エミッター電圧+0.6Vとなりますが、仕様書を見て最適な電圧を考えて抵抗値を決定します。今まで書いたような仕様を満たすトランジスターを選択すると、結構限られてきます。秋月で部品を選ぶのが楽しくなってきませんか?

 増幅した信号は、どれくらい電力を発生させているか検出する回路と、信号の周波数を計測する回路に分かれます。

 電圧検出は、倍電圧検波を用いました。一石トランジスターラジオに見られるものと同じ方式です。最初のコンデンサーは交流電流を通過すると同時に、ダイオードからの電流を貯めこむ働きをしています。GNDに接続しているダイオードは、交流の電圧が負になった時にGNDから電流を呼びこむ働きを担います。流れこんだ電流は最初のコンデンサーに貯めこまれ、交流電圧がプラスになった時に貯めた電圧と流れこんだ電圧が加算されて倍になり、次のダイオードで出力に向かって流れだす様になっています。流れだした電気は、コンデンサーである程度平滑化されてPICのアナログ入力に伝えられます。倍電圧しているとはいうものの、それでも検出される電圧はとても小さく、数mV程度です。PICではデーターの平均化も兼ねて、8回計測したものを加算して表示に用いています。

 プリスケーラ部ですが、確実にデジタルICを駆動させる為、もう一段増幅回路を用います。ここでの増幅は、前段階の回路が不安定になると(増幅部の回路は、前段階が不安定にならないとディップしてくれないので、敢えてトランジスターを選択しています。)電圧検出に影響を与えてしまうので、入力インピーダンスが高い素子で増幅させる必要があります。ここではFETを用いることにしました。FETはゲートからの電流流入が少ないので、前回路に与える影響を最小限に留めることができます。FETは種類も豊富で、振る舞いも種類によってかなり違うことから、仕様書をよく読んで選定した方がいいです。ここでは、高周波に用いることができ、低電圧で駆動できる素子を候補としました。2SK882は高周波を扱える素子の中でエンハンスメントと呼ばれるFETで、ソース・ゲート間電圧が-1Vから数Vまでに渡って反応してドレイン・ソース間の電流を制御します。ということは、ゲート電圧を0V付近に設定することによって効率よく増幅することができます。コンデンサーで交流電圧のみ通過させ、11MΩの抵抗で0V近辺にフィックスさせています。十分に増幅した信号は、TC74LCX74FというデジタルICで振動を1/2 1/2と減算させ、最終的には1/4まで減らしています。このような回路は、一般的にプリスケーラーと呼ばれています。この処理を挟むことによって、高い周波数をカウントできない機器に低い周波数でカウントさせ、減算させた分を調整して表示させます。一度減算させているので、表示できる周波数の精度は落ちてしまいます。LCXシリーズを選択した理由は、低電圧で駆動できて高速信号を扱えるからです。2SK882以外にも低電圧駆動で高速なMOS-FET RUE002N02を試しましたが、100MHz以上の帯域での増幅率が十分でなかったことから採用を見合わせました。ただ、ブレッドボードでの評価なので、生基板で使ったら違う結果となっていたかも知れません。

 PICは16F1827を使いました。I2C有機ELディスプレイを使いたいのと、ADコンバーターが内蔵されていること、カウンター部が高速で動くこと、フォントを内蔵させなくてはいけないのでプログラム領域が十分確保できることを条件としました。

 どの回路にも十分なバイパスコンデンサーを付加してあります。そうしないと、異常発振やデジタル信号が不安定になる原因にもなります。

 プログラムは現在調整中です。後日ブログに掲載します。

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